新年あけましておめでとうございます。
どんな年末年始をおすごしですか。
天草に越して4回目のお正月、今年は帰省もせずいつもの場所で年越し。
なんだかさわさわとした気持ちが収まらず晴れやかなお正月をのんびり楽しめたという気分ではなかったのが正直なところ。
もともと、お母さん業が得意とは言えない性分には保育園が長くお休みになる期間というのは年末年始に関わらずなかなかハードなもの。一人の時間が取れないことがどうしてもストレスになってしまう。寝てるとき以外ずっとおしゃべりの止まらないエネルギー炸裂ボーイの相手をしながら、窓拭いたり、お雑煮作ったり、気が付くとへとへとになってるこのパターン。
へとへとになるくらいなら、窓も部屋もそのまま、雑煮やらお節やら一切なくてもいいのではと自分に問いかけてみるものの、やっぱり気持ちよくお正月を最低限それらしく迎えたい気持ち。めんどくさい性格…と自分に半ば呆れながらも一つ一つ進めていくあれこれ。
そこに輪をかけて、家庭内である問題がこの年末年始勃発(ここについてはまたいつか)。なんだかなぁともやもやしているところに、飛び込んできた地震のニュース。奇しくもこののんびりブログで、前回綴ったエピソードは12年前の震災の話。あの時がよみがえるような大きな地震がお正月に。それに対して迅速に応じる義援金や支援を募る発信を横目で見つつ、気持ちがついていかない自分。新年早々いろんなことありすぎーと心折れ気味で潜り込む布団。
全然さえない正月二日目の夜だったのだけど、この潜り込んだ布団の中でたまたまキャッチして読んだnoteの記事が心を持ち直させてくれたのでここでシェアしたいなと思います。被災した方もそうでない方も、似たようにざわざわとした心境でこの年末年始をお過ごしだった方、もしよかったら。
https://note.com/hattorimirei/n/ne2d41178bab7
前にこのブログでも触れた文筆家で編集者の服部みれいさんが綴っているnote.
どんな状況でも自分の周波数を整えることができる、ということや、その具体的な実践法などがメインで紹介されている記事なのだけど、そこの部分もさることながら「今の自分のまま(ダメな自分、足りていない自分、イケてない自分だと感じていてもそのまま)、受け入れる、共感するということが自分の周波数を変えることの始まり」という後半の言葉が心にしみた夜でした。
うんうん、周りがどうであれ、どんな状況であれ、まずは自分が自分の一番の見方でいようと、ストンと思えたような。私の心のストーブに薪をくべてあたためるのは自分の仕事。灰だけになってるように見えても熾火は静かに燃えていてそれを絶やさず息を吹き込むのは私…そんなイメージをぼんやりと思い描きながらとうとしてきたところに、お風呂から上がったぽかぽかボーイが布団の中に潜り込んできて人間湯たんぽ。大切な人とともにあたたかな場所で眠るしあわせがここにあることに気づいた夜。
三が日過ぎて、保育園始まり、窓を開けて掃除機かけて、久しぶりの一人の時間。
自分のためにお茶入れて、ここからどんな一年にしようか手帖に綴ってみたいと思います。
そしてどんな一年であれ、自分のストーブに薪を絶やさず心をあたためること忘れずにいよう。
さぼりっぱなしだったこちらのブログ、手始めにこの年始に感じたこと、そのままに綴ってみました。皆さんはどんな一年にしたいですか。
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2023年もうすぐ春分、あちこちに新芽が芽吹き、春爛漫の陽気が心地よいここ天草です。みなさんの暮らすところにも春、来ていますか。
日頃テレビや新聞を見ない生活をしていても、人の言葉から、あるいはSNSを通した発信を目にしたりで、毎年「あぁ、もうすぐ3月11日だなぁ。」と意識する季節。亡くなった方への哀悼の思いや、当時体感した大きな揺れ、未だ解決とは程遠い向き合うべき問題山積みの問題…色々なことが頭や心を過ります。もう12年も経ったなんて、早いものですね。
被災した、しなかった、知人を亡くした、皆無事だった。経験のしかたはみんな違っても、大きな出来事として心に残っている人も多いことと思います。12年前の当時、神奈川に住んでいた私。被災したというような地域にいたわけではなかったけれど私にとって大きな出来事だったあの震災。地震も去ることながら、原発事故という出来事は当時の自分に大きなショックをもたらし、その後の自分にも大きな影響を与えたものでした。
原発があることがいいはずがないと思っていながらも、どこか無関心だった自分への憤り。基本的には真実を伝えているだろうと思っていたテレビへのものすごい違和感。それでも変わらない方向の政治への不信感。ここに暮らし続けていていいのだろうかという不安。取り返しのつかないことが起きてしまったという悲しみ。余震が続く中、テレビに映る、ヘリコプターがぱらぱらと水を撒く光景を見ながら心底感じた虚しさ。
なぜだか昔から、「このまま地球はどうなってしまうのだろう」みたいな不安がやたら強く、シャンプーが海を汚すと聞けば、石鹸でギシギシさせながら髪を洗い、森の木が切られて紙が作られていると聞けば、読み終わった愛読雑誌のリボンをちぎってミキサーにかけて年賀状を作っているような子供でした。小さい子供の頭で抱えきれるわけない問題を何とかしなくちゃいけないような気持ちになってそのときなりの(傍からみれば妙に偏った)精一杯の環境活動。
そこから成長していく中で、エシカルな暮らしを貫いていたわけでは全くないのだけれど、いつでも心の隅にある「このままで地球どうなってしまうのだろう」という気持ち。ファッションの学校を卒業し、アパレルの仕事に就くも早々にやめてしまったのも結局、「こんなにすごい量の服を延々と作り続けて消費して、大量のごみ出して、このまま地球どうなっちゃうの」という気持ちが根深く、服を作ることは好きだけどその背景を思うとき心がどんよりしていたのも大きな要因だなと改めて思います。
そして、その自分の中にある「どうなっちゃうの」の気持ちに留めを刺されたような、12年前のあの事故。わたしにとって明るい未来が全然見えなくなるようなつらい出来事でした。
時間は過ぎて、2023年の今。
あの頃の私には12年先の春にいる自分なんて全く想像できていなかったけれど、紆余曲折ありながらもこうして元気に生きている。ありがたいことに子供も生まれて、住む場所もぴゅーっと変わって、小さいながらに刺繍という活動も楽しく続けながら、笑ったり泣いたりしながらピンピンと。
つい先日一人車を走らせながら季節柄12年前のあれこれを思い出していました。その日はとても気持ちのいい天気。春に向かう美しい景色が広がる中なんとなく思いったって、「大丈夫。2023年に生きるあなたの見ている景色はとても美しいものだよ。」と12年前の自分に向けて言葉を伝えてみました。そうしたら不思議だけれどその言葉が時間を越えて届いたような感じがあって、自分の中の何かが溶けるように、ぽろぽろ涙が出てきました。悲しいっていうより温かい涙。あの日テレビの前で凍り付く自分をよしよししてあげられたような…、傷ついた自分が癒されたようなそんな瞬間でした。
起きてしまったことは変えられないし、先に述べたようにこれからも向き合い続ける問題はあるということは前提にあるけれど、そもそも広い宇宙の中、地球自身がものすごい生命力で生きていて、浄化力もある中で奇跡的に生を受けて暮らしてる私たち。毎日海を目の前に暮らし自然がより身近になったからなのか、人があれこれ考える以上の大きな力を地球はもっているんだということを肌身で感じます。もちろんエシカルな暮らしが心地よいしそうしていきたい気持ちはあるのだけれど、このダイナミックに生きている地球というものを人がどうこうしようと思う事自体がおこがましいようにも思ったり。そしてそんなパワフルな地球をもっと信頼して、そこに生きる自分も信頼して、美しい未来を描いていきたいと思う今日この頃。あれから12年経った今も目の前には美しい春の景色が広がっているのだから。
2023年の今とて世界にはどうなっちゃうの問題は切りなくあるのだけれど、だからこそ「どうなっちゃうの」の不安な気持ちを「どんな世界を思い描こう」のわくわくの気持ちに変えて、心の中に灯していきたい、そしてわくわくの気持ちこそがわくわくの世界を実現する力になるんだろう、そんなことを思う春でした。
麗らかなこの季節にみなさんはどんなことを思いますか。
〇お知らせ〇
刺繍ワークショップ in TOKYO
3月の終わりに久しぶりに東京でワークショップをできることになりました。ayaとして刺繍の活動を始めたまだ間もないころからお世話になっている大好きなお店クルミ堂さんで行います。 刺繍キット「刺繍とお茶と|弥生編」を使ってブラックリネンに、ジャスミンの花を描きましょう。 刺繍ができたら、お家に帰ってコースターに仕立ててくださいね。すべての工程をテキストに記載しています。 刺繍が初めてという方も歓迎です。図案を描き写したり、針に糸を通したりするところから一緒に楽しんでみませんか。 オープン前のクルミ堂でお菓子が焼ける匂いをクンクンしながら楽しいひと時が過ごせたらさいわいです。 「いつか帰省の時にモーニングワークショップができたらいいね」と話していたことが思いがけずカタチになることがとっても嬉しいです。 ご予約おまちしております。
◎詳細◎
日時:2023年3月28日(火)9:30〜11:30
場所:クルミ堂
住所:世田谷区宮坂3-45-2-2F
料金:4500円 刺繍キット『刺繍とお茶と|弥生編』(薬膳カード付き)のお代と飲み物代込
持ち物:直径20センチ以内の丸形の刺繍枠をご持参いただける方は予約の際、その旨お伝えください。針やハサミはこちらでご用意します。
ご予約:info@chez-aya.comまでEmailもしくはインスタグラムDMにてお申込みください。件名「クルミ堂ワークショップ予約」とし本文に?お名前、?電話番号、?丸枠をご持参いただける方はその旨をご記入ください。3日以内にお返事いたします。
〇キットの内容詳細はオンラインショップにてご確認いただけます→Online shop
3月4月は熊本でも温かなご縁に恵まれ色々なところでワークショップ開催させていただいています。すべてのワークショップのご案内はinstagramでしています。ぜひのぞいてみてくださいね。
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今日は冬至。皆さんどんな師走をお過ごしですか。
冷え込みが例年に比べ緩やかな印象だったここ天草も北からの海風がぐっと冷たくなり、いよいよ冬本番を迎えています。色々なことがあった2022年。悲しいこともあったけど、しみじみと幸せを感じるような瞬間やワクワクと心が弾むような瞬間もたくさんありました。
2016年に誕生したSunny Thread は今年30色になりました。Sunny Thread はボタニカルダイという植物を原料にした染色方法を用いているのですが、海をインスピレーションに今年生まれた5色はそのほとんどを熊本で採れた植物で染色。2020年に越してきたここ熊本の植物や生産者さんとの出会いの中で生まれた色は自分にとっても思い入れのある色となりました。そしてayaとしての表立った仕事ではないけれど、今年は他にも染色という体験を色々な形でしてきた一年になったなぁと思いました。
その一つは今年の秋、岐阜県の美濃で行われたマーマーマガジンのお祭り、マーマーなフェスのスタッフさんの衣装の染色。マーマーマガジンは服部みれいさんが編集長を務める不定期で発行されている雑誌、内容を一言で説明するのは難しいのですが、いつもたくさんの知恵や気づきを与えてくれる私にとって大切な雑誌です。今回はそのマーマーマガジンのお祭りの舞台となる美濃に伝わる伝統的な和紙を茜で染めるお手伝いをさせてもらいました。
これまでにも自身のバッグなどの染色にも度々使用してきた茜。普段なら大きな寸胴で煮出して、そこに布を漬け込むという作業ですが、今回の素材は和紙。煮出した茜の色を刷毛で和紙に一枚一枚塗っていく作業となりました。何枚も何枚も黙々と染めていく作業はなんだか瞑想の様でもあり、と同時にその目に入ってくる茜の優しいピンクが自分にすごく癒しをあたえてくれてる、ということに気付いたのでした。予想もしていなかった父の死という体験をしたその後にこの仕事に携われたこと。悲しみに寄り添うような優しい色はが自分にとって大きな恵みとなり、このタイミングで出会うべくして出会った仕事だったのかなぁなんて振り返ってみると思うのでした。
そしてもう一つ。今年の春分にお友達家族に招かれたイベントで出会ったバンドルダイという染色。お花や葉っぱ、果物の皮など身近な植物を布の上に散らすように並べ、植物をのせたその布を棒に巻き付けてぐるぐると糸で縛り蒸しあげて染める、という染色。
この染色方法もまた癒しの力が素晴らしく、染色用にと花を摘むところからもうすでに気持ちがなんとも高揚するというか、幸せ感が半端じゃないのです。集めた植物たちの姿も、また布のに散らされた花の景色も、そして蒸している最中に醸し出される匂いもすべてが癒しという感じで、染めあがった布をほどいて広げるころにはもうなんだか胸いっぱいの幸福感。染めあがった布もまたひとつとして同じ模様はない美しい布になるのですが、その工程自体が植物療法なのではと思うようなヒーリング効果。出会って以来この方法で、季節折々の草花で友人や子供と一緒に楽しんでいるのですが毎度毎度、植物の恩恵を受けまくりの幸せな時間となるのでした。誰に対しても分け隔てなくこんな癒しの力を与えてくれる植物の優しさって本当に尊い。
この染色、お家のお台所で、お庭で、幼稚園や保育園で学校で、よかったらぜひ。「草木を大切にしましょう」とかって伝えるよりよっぽど草木のすばらしさを肌で感じる体験になるように思うのです。何より楽しい。簡単に自分なりのやり方をまとめたメモもあるのでよかったらお送りします。植物の癒しの輪が広がって行ったら素敵だなと思います。我が家の庭でもまた温かくなるころに行えたらと思います。もしご一緒したい方がいたらお気軽にご連絡くださいね。
美味しいご飯、ヨガやマッサージ、友達とのおしゃべり、お買い物…エナジーチャージの方法ってたくさんあるけれど、こう振り返ってみて常々自分は植物の色にパワーをもらっているんだなぁと思います。長いこと時間をかけてSunny Thread に30色も色を付けたりしてるのって、刺繍としての表現を楽しむための色でもあるけれど、すでに刺繍糸になった時点でその色に誰より自分が元気をもらってるのかもしれないな、なんてありがたいのだろう、そんなことを思った2022年でした。
みなさんは植物の恵み、受け取ってますか。色、楽しんでますか。
2022年もありがとうございました。よいお年をお迎えください。
〇お知らせ〇
刺繍の時間 at こもれびヨガ vol.2
熊本市、江津湖近くにあるヨガのまりこ先生が営む素敵なスタジオをお借りして2023年最初のワークショップ行います。 共通のテーマを設けず、ご用意するSunny Threadやお道具を好きに使っていただいて各々のペースで針仕事を楽しむ刺繍の自由時間のようなクラス。
刺繍が初めての方には、こちらで用意した図案を使って描き写すところ、基礎から一緒に始めましょう。 既に刺繍の基礎のある方は今ある疑問点を解決したり、オリジナルの図案を刺してみるには…?と考えたり。 ayaの刺繍キットをすでにお持ちの方はそれを持ってきていただいて質問しながら進めていったり…etc それぞれのやりたいことをそれぞれのペースで愉しみましょう。
当日は午前中はまりこ先生のヨガクラスも開催されます。私自身大好きなまりこ先生のクラス。ヨガでリラックスした後の刺繍クラスもとってもお勧めです。2023年初めのワークショップ、ご一緒できること楽しみにしています。
◎詳細◎
日時:2023年1月24日(火)13:00〜15:00
場所:こもれびヨガ
住所:〒 862-0955 熊本市中央区神水本町20-6
料金:2500円
※ワークショップ中の糸やお道具ご自由にお使いいただけます。ご希望の方は別途刺繍糸や刺繍キットなどご購入頂けます。
持ち物:特になし。刺繍枠やハサミ、使い慣れた道具のある方はよかったらお持ちください。
ご予約:info@chez-aya.comまでEmailにてお申込みください。件名「こもれびヨガワークショップ予約」とし本文に?お名前、?電話番号、?刺繍の丸枠をご持参いただける方はその旨をご記入ください。3日以内にお返事いたします。
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久しぶりすぎるブログの更新。前回の更新が今年の始まり。もはや年末迫る11月の今。自分でもびっくりのなまけ具合ですが、その間みなさんいかがお過ごしでしたか。2020年からのコロナ渦と言われる期間も2年が過ぎた今もまだまだ時代は大きな変わり目にあるようで、社会情勢に個々の生活、みなさん色々なことを思い、経験されているかと思います。
もう一年の振り返りモードに入ってしまいますが、私の生活にもたくさんの出来事のあった一年でした。一番の大きな出来事はこの秋に、実家の父が急逝したこと。上手く言葉にできるかなと思いつつ、ここを語らずしてこの一年を振り返ることはできないなぁと思い、自分の気持ちを整理するような、大切な友に近況を報告をするような気持ちで綴っています。
夏ごろから体調の良くなかった父に末期と言われる進行の進んだがんが見つかったと連絡が来たのは9月の半ば。大きな大きな台風が熊本を通過するちょっと前の出来事でした。本人も家族も、何の心構えもないままに伝えられたその病気と、治療という選択肢はもうないという現状。取り急ぎ検査した病院に入院したものの、そこで何か治療ができるわけではなく、しかもコロナ渦の病院はたとえ死が迫るような病とて家族さえ面会は受け入れられないという姿勢。
治療の手立てがないのなら、お家で家族で見守ろうとホームケアの準備を進め退院をするという選択をした私たち家族。一人遠方にいる私は、病気が分かってからすぐにでも会いに行きたいと思ったのの、面会ができないのなら退院しないかぎり、帰ったとしても会えないということが分かり、ひとまず待機。距離をもどかしく思う気持ちはありながらも少しでも良い方向に向かうよう祈る毎日でした。会えたときは笑顔で退院おめでとうが言えるように、これまでのたくさんのありがとうが言えるようにとイメージしながら。
台風通過の日、電気も水も止まった家の中で、携帯の充電の残りを気にしつつ、随時家族から来る父のかなり早そうな病気の進行状況を読んでるときの息が詰まるような思いは経験したことのないものでした。気が付くと呼吸を忘れてしまいそうで、度々自分に「深呼吸、深呼吸」と言い聞かせふうーっと息を吐いては呼吸を整えるようなそんな時間。
一夜明けて無事に台風は去って、電気もお水も回復。さいわいお家も家族も無事に気持ちのいい台風一過を迎えることができました。そして待ちに待った東京へと向かうはずの日の前日に、まさかの子供が初熱。PCR検査は陰性だったものの、熱がある者は飛行機に乗れずで二日遅れでの出発。ようやく飛行機に乗ったその日は別の台風が静岡の上空を通過。ぐわんぐわん揺れる飛行機からの、大雨でずぶ濡れになりながらなんとか実家に到着。
対面を果たした父とは、何とか笑顔を交わすことは出来たものの思った以上に弱っている様子で、言葉でのコミュニケーションはもうほとんど取れず。目に見えるスピードで日に日に弱るのからだ。足先をマッサージしたり、水を口に含ませたりとささやかな手助けをしながら過ごした数日間ののち9月の末に息を引き取りました。病の知らせを聞いてからわずか数週間。
そこからは葬儀の準備…という感じで悲しみだけには浸っていられないバタバタ。きっと家族の死を体験した多くの人は経験されているであろうこの流れ。その流れになんだか気持ちが全然ついていけない、きついな…どうしよう。と思っている最中、気が抜けたのか、子供の風邪をもらったのか(たぶんそのどっちも)今度は私自身が一気に熱が上がり、こんな風邪大人になって引いた?と思うような高熱&頭痛の風邪をひいてしまい、結局お通夜にも、お葬式にも参列できず、朦朧と布団の中にもぐって過ごす数日間。熱が引いた後も風邪の症状からの中耳炎に蓄膿症…、長引くだるさを連れたまま、なんとか熊本に帰ってきたのが、10月の上旬。自分史上最大の嵐の中にいるようなそんな数週間でした。
自宅へ戻ってくると実家や親兄弟と離れるからか、葬儀に参列していないからか、ますますこの数週間が夢の中のできごとだったような感じになってひたすらぼーっとする日々。静かな島に帰ってくると共に訪れた凪の時間。父との色んな思いでがよみがえってきて、泣けたり笑えたり。そしてまたぼーっとして。何かやりたいという気持ちもなくて、仕事も家事もほったらかして。
こういう時、つい「いつまでもそのことばかり考えてないで、仕事仕事」とかって、疲れたままの心を奮い立たせて頑張りがちだけど、あえて無理せずぼーっとしていた時間を過ごせたことが嵐の後の自分には本当によかったなぁと思う。そのおかげで、すこしずつ、刺繍がしたいなぁ、あれもしたいなぁとわくわくの気持ちが自然とふつふつと湧いてきている今日この頃です。今はそういう気持ちが起こることがうれしいし、楽しい。そして待たせっぱなしのこういう自分をすべて受け入れてくれている周りの人たちに本当に感謝。周りに恵まれているなぁとしみじみ感じています。
親の死を通して思うこと、無数の感情をすべて抽出して言葉にすることはとてもできないけれど。
身近にこういう体験をして、死ぬって何なんだろう…そして生きてるってどういうことなんだろう…そんなことに思いをめぐらせています。同じベッドに寝ていた体が昨日と今日でその境を越えていくって…とっても不思議。
そもそも輪廻転生ということを私はあると思っていたし、「死=終わり」ではないと思ってはいたけれど、それでもやっぱり死を迎えるという現実が目の前に起こったとき、それはとても悲しくてしかたがなかったし、一日でも先延ばしにしたい、すこしでも話しがしたい。よくなってほしい、何か出来ることをしたい、という気持ちに駆られるものなんだな、生きることへの執着って私の中にすごくあるんだな、ということを痛いほどに実感。
でもその一方でもっと広い視野でこの出来事を俯瞰している自分も内在していて父の魂は長年生きたおじいちゃんになった体から自由になって、解放されているんだなとも思う。今頃どこへでも行きたい場所へ行って、会いたい人を訪ねたり、自由に過ごして満喫しているんだろうなと。実際、死に至る前の父は本当に苦しそうだったけれど、その後息を引きっとった後はちょっとほっとしたような安らかな表情でした。
6年くらい前に体調を崩して以来なかなか遠出ができなくなっていた父は、生前、元気になったら私たちの新しい生活拠点である天草に遊びに行くということを目標の一つにしていた様子。熊本の山奥の町に育った父にとっても海に囲まれた天草は憧れの場所だったのかなと思います。私が天草を知るきっかけになったのも、昔父がみせてくれた一枚の天草の写真でした。小さな漁村に古い教会があるその趣ある風景にひかれたことを覚えています。今思えば崎津の景色かな…。生きている時に天草再訪の目標は果たせなかったけれど、もしかして生きている時よりずっと易々と今頃天草の海を見に遊びにきているのかもと、夢物語ではなく今の私には思えます。
そう思うと死んでも終わりじゃない。だけど生きた体と心を持っている今はそれを存分に満喫しよう、この体のある今を大切にしたいと心から思う。死ぬことを恐れるんじゃなくて生きることを味わうような。体と心で一日一日を大切に過ごそうと。したいことをひとつずつ。会いたい人に会って、伝えたいことは伝えて。そういうことを楽しむために私たちきっとここに体を持って生まれてきてるんだろうな。澄んだ空ににそんなことを思う2022年秋です。
皆さんは今したいことしてますか、会いたい人に会ってますか、伝えたいこと伝えてますか。
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新年あけましておめでとうございます。
どんな年末年始をおすごしでしたか。私は熊本に越してから初めての帰省をしました。
寒い島の冬の、外と一体感満載の古いお家で、大掃除しながらお雑煮やらおせちやらを準備する気が全然起きず、だけど誰かの作ったお正月ごはんをのんびり食べてゴロゴロしたい、とえいやっとチケット取って行ってまいりました。
久々の実家に横浜、東京の街、なつかしさ炸裂かと思いきや戻れば案外あっさりと、普通の感覚。このご時世近くに住んでいても一年二年合わない親戚、友人いっぱいいるよね、と思うと、引っ越しをしなかったもう一つの現実がそこにあるような気さえしてくる変わらない風景、ただいまと帰る実家。人見知りするでもなくじいちゃんばあちゃんに甘える息子。
そんな不思議な感覚を味わいつつもお帰りと出迎えてくれる家族や友人がいることの温かさを感じながらおしゃべりしたり、ご馳走をいただいたり。今住んでいるところは海に山にと自然は豊かだけれど、文化的スポットの少ないいわゆる田舎。せっかく遥々来たのだしと子どもとも憧れの水陸両用バスに乗ったり、大きな観覧車の頂上から景色を眺めたり、円卓で美味しい中華を食べたりと普段はできない都会的アクティビティを親子で満喫。賑やかな都会のきらきら感に雪遊びのおまけつき、存分に楽しんだ年末年始でした。
いい雰囲気のカフェに、ビオのスーパーマーケット。品ぞろえの良い本屋にセレクトショップ。久々の都市の豊かさ楽しさを楽しむ一方、経済を動かし、消費を促し続ける街だなーと改めて感じたひと時でもありました。そこは表裏一体。人のエネルギーもすごい。活気があるともいえるし、人の多さに疲れる面もあり。飛行機と車に揺られ、今のお家に帰ったときの静けさと安堵感。子供も私も久々ぐっすり眠り翌朝は寝坊。ここが自分たちのお家になったんだなぁと改めて感じたのでした。
年末年始となると、新しい年の目標を立てたりしていて、新しい手帖にそんなことをメモしたりするのも楽しい時間。私は今年はとにかく、ゆっくり、焦らず急がずの一年にしたいと思っています。正しいより、楽しい。頑張るより、心地よいを優先するような一年に。やる気のなさそうな目標ですが、努力や真面目さみたいなものが美徳とされ、経済活動が優先とされる世の中で、焦らず急がず一年過ごすって意外と簡単じゃないように思います。
田舎に暮らすとお家の手入れや季節の仕事も増える。それが大変でもあるけれど楽しくもあるところ。特に私ははもともと好きだった食回りのことがこちらに来て益々楽しいなーと感じます。季節ごとに出回る新鮮な食材を使ってお料理したり、保存食作ったり、小さな畑で野菜を育てたり。そういう今という季節とともにやってくることをやりたいのに見過ごしたまま経済につながる仕事を優先するときの違和感を見逃さず、お金が得られる得られないで仕事の重要性を分けるような感覚をなくしていきたいとおもっています。
お気に入りのセーターに空いた穴を繕う時間が無いことを理由に新しいセーターを買うようなことはしたくないし、ゴールを目指すあまり、疲れた手先で刺繍を仕上げるような仕事はしたくないなと思います。
とはいえ生活あるよね…という声が心のどこかから聞こえてきますが、果たしていそいそとたくさんの仕事をこなすことが本当に自分の日々を物質的にも精神的にも豊かにしているのかという疑問を身をもって実験するような一年になりそうです。巡ってきた仕事は感謝して丁寧に、そして心の声に正直に焦らず楽しいペースで。暮らしと仕事と遊びが一つの輪になってくるくる循環するようなイメージを心に描いていきたいと思っています。
そして人々が、経済がスローダウンすれば、自然が喜ぶことはこの2年で多くの人が感じたことでもあると思います。昨年の初めに教えてもらい、走り書きが部屋に貼ってある『見たいと思う世界の変化にあなた自身がなりなさい』というガンジーの言葉。それを小さく体現していくような一年にしたいなと思います。こちらのブログもゆっくりと(これまでもですが)今年も暮らしのあれこれ綴っていきたいと思いますのでお付き合いいただけたら幸いです。
みなさんはどんな一年にしたいですか。
〇お知らせ 1〇
2021年秋にスタートしたExhibition【L’AUBE/夜明け】。東京、大阪の開催を経て熊本で開催することになりました。会期中は刺繍ワークショップ、オーダー会(在廊日のみ)も予定しています。新しい暮らしの拠点となったここ熊本でのちいさな始まりの展示、遊びに来ていただけたらさいわいです。
SHOP: olge 【熊本 三角】
DATE:2022年2月4日(金) 5日(土) 11日(金) 12日(土) 13日(日) 19日(土) 20日(日) 23日(水) 26日(土)
TIME:13:00〜17:00
ADDRESS:〒869-3203 熊本県宇城市三角町戸馳6921
〇在店予定日 2月4日(金) 5日(土) 11日(金) 12日(土) 13日(日)
〇ワークショップ『刺繍とお茶と』
11日(金)12日(土) 13日(日) 各日13:00〜15:30 薬膳のお菓子を作っているOlge店主とayaとのコラボレーションワークショップ 詳細・ご予約はHP /instagram をご確認ください。近日中に掲載の予定です。
〇お知らせ2〇
chez_ayaのインスタグラムのアカウントでは刺繍のお知らせをメインにしていますが、暮らしや料理のことの覚書も兼ねて綴っていこうかなーと別のアカウントを作りました。もしご興味を持ってくださる方がいらっしゃいましたら覗いてみてくださいね。⇒【野皿】
〇お知らせ3 〇
こちらのブログで書いている日々の暮らしや活動のこと、メール形式でもお届けしています。ブログに毎回アクセスするより、メールで受け取ったほうが読みやすいな、という方がいらっしゃいましたら、info@chez-aya.comまでお便りください。件名にメールマガジン希望、本文に送信先メールアドレスの記載をお願いします。今回よりオンラインショップでご購入の際メールマガジンを希望されている方にもお送りしています。
スローペースの更新、拙い言葉たちだけど、文章で綴ることこれからも小さく続けていきたいな、と思っているのでそれぞれの方にとって親しみやすいスタイルでお読みいただけたらと思っています。
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早いもので今年も残すところ1か月半を切りました。
見返すと前回の更新が6月、月に一度くらいを密かな目標としていたこちらの更新、目前の展示に向けての制作に無我夢中のまま5か月も間が空いてしまいました。個人的には2021年夏、子供との長い夏休みと連日の豪雨あたりから一気に日々のスピード感が増しているような気がしてます、みなさま元気でお過ごしでしょうか。
東京、大阪とリネンバードさんでの展示、お越しくださった皆さまありがとうございます。今回は作品だけでなく、Sunny Threadの事を綴ったパネルを制作したり、また25色になったSunny ThreadのNew Bookletのお披露目や新しいキットの販売と色々盛りだくさんでした。引っ越しから一年の節目に、また2021年という今この時に、自分が思い描く世界をこうやって形に出来たこと、それを見ていただける機会をいただけたことに心より感謝です。今回テーマとした【L'AUBE/夜明け】の旅、形を変えながら、まだ少し続きそうです。リアル&自身のオンラインショップでも小さく、楽しい催しをできたらと思っています。HP、instagramで詳細チェックしていただけたら幸いです。
先月の10月であっという間に熊本に越してきて一年。秋、冬、春、夏、を経験し、まだまだ根付いたとは言えないけれど、一年前に比べれば知ったことも多いような。今日はこの一年で感じたこれまでの生活圏との食の違いあれこれを。旅行に行ったときなんかもいつも感じることだけど、同じ日本と言えど場所が変われば食文化も結構変わるもの。食いしん坊の自分にとってはそういう小さな発見が楽しかったりします。
まずおそらく日本に暮らす多くの人が認識している醤油の違い。うん、九州のお醤油は甘い(九州の人に言わせれば東京の醤油は辛い)。一言に甘いと言っても、その中に幅があり、ほのかに感じる程度のものから、お店によっては自分にとっては「え!」と思うレベルの甘さまでさまざま。この醤油の味、できるだけ地の物になじんでいきたい気持ちもありつつ、関東育ちの身にはなかなか受け入れがたく、我が家は探してたどり着いた地元の物だけど甘みが入ってない大豆と小麦とお塩のお醤油(そういうのもある)を使っています。ローカルの本醸造の美味しいお醤油に出会えてほっと一安心。
そんな中お世話になっている地元の方から「最初はそう言ってても、そのうち甘い醤油で刺身を食べるおいしさが分かるようになりますよ!こんど僕の好きなとこの甘露っていう美味しいお醤油持ってきてあげます、フフフ」といわれ、丁重にお気持ちだけいただきました。甘い露って表現がすでに、大分あまい。
家の味はまあ自分の好みにすればよいとして、たまの外食天草の美味しいお刺身を外でも甘くない醤油で食べれたらいいなぁと思ってしまうのはわがままか、マイ醤油持ち歩くとかやり過ぎか?などと思っているうちにふと思ったのは、こちらのお刺身と醤油の相性。四方を囲む海で獲れた天草のお魚はほんとに新鮮です。そして鮮度に対してみんなが結構シビアというか、超新鮮なのが基本で、優先順位の最上位に位置するのが「鮮度」な感あり(あくまで個人的感想)。神奈川に住んできたとき近所の釣り好きのおじちゃんが、釣ってきたハマチやイナダなんかをよく分けてくれたのだけど、その時はよく「鮮度は今日が一番だけど、美味しくなるのは明日だよ〜」と言っていた。少し時間を置いたお魚はうま味は確かに増して、それをより活かしたのがタイやヒラメなんかの昆布締めだと思う。
獲れたて、捌きたてのお魚は匂いも一切なく身がしまってコリコリだけど甘み(うま味)が少ない、だから甘い醤油が合うということなのかな。鮮度を醤油の甘みとともに頂くスタイル、外ではそのスタイル楽しめばいいか、と勝手に考察&自分を説得したのでした。
とはいえ刺身に限らず、醤油は料理全般に使うものなので、それだけでは醤油が甘い説明には不十分だけど。同じ料理のレシピをみて煮しめを作っても、東京と熊本じゃ仕上がり大分違うよな。既に醤油が甘いとなるとこちらの人にとってみりんの存在って…と永遠に考えてられる醤油問題。いつか醤油文化の自由研究でもしてみたいものです。
魚の鮮度といえばのもう一個のエピソード。近くの道の駅で売っていたお魚。キラキラまだ生きているかのような佇まいにビー玉のようなお目目、ラップの上には【朝獲り】のシール。初めて見るそのお魚をもって店員さんに「このお魚はお刺身でたべられますか?」と聞くと、「うーん、食べれる魚だけど、朝〆た魚だけんねー。」「え?今朝ですよね?」「でも朝〆て、ここに置いてあったけん焼いたほうがよかよ。」とのこと。その時午後の3時だか4時だったか。【朝獲り】シールは新鮮のマークかと思いきや、そうとも限らないんだ…、すごく新鮮そうだけど、特別足の速い魚なのかな?色々思うとこありつつよくわからず、とりあえず焼こうーと持ち帰ったその子は【クロ】と書かれた真っ黒のかわいいお魚。帰って調べるとメジナが正式なお名前。塩焼きにしておいしくいただきました。刺身にして食べるときの鮮度のレベルの厳しさを垣間見た一コマ。こちらの人が都内のスーパーの閉店間際にお安くなったお刺身三点盛り的な物を食べたらどう思うんだろう。具合が悪くならないことを祈るばかりです。
一方で新鮮な物を生で…と想像していたものが予想外になかったのはシラス。釜揚げシラスやちりめんはあちこちあるけれど、生のシラスは今のところ売ってるところ見当たらず。江の島や鎌倉は季節になると生シラスが出回り、お店で生シラス丼が登場したり、品揃えの良いとことろだとスーパーでも取り扱っていたり。以前東京の友人宅で生シラスとディルで作ったディップをバケットにのせ白ワインのお供に出してくれたのがたいそう美味しく天草に引っ越したら私も作ろうと張り切ってディルの種まで蒔いたのに、いつになっても出回らない生シラス。こちらの友人に聞いたら収穫してからシラスを一気に吸い上げてかま揚げてしまうから生は基本ないかもとのこと。あまり生で食べる文化がないようです。生で食べたきゃ、自ら獲るしかないのか...。
そして以前は天草でたくさんとれた成魚のイワシも最近は収穫量が激減してるという話を聞き、スーパーでは千葉産や、石川産のイワシをよく見かけます。しらすやにぼしはあるのだけれど、大きくなるといなくなる?海流や環境の変化なのか、なんなのか、こちらも気になるエピソードなのでした。
ちなみに当然だけど、獲れる魚、種類も豊富だけれど、一般的にポピュラーと思う魚でもないものも多い。白身が圧倒的に多くて、赤身魚少なめ。マグロやカツオは鹿児島産、サンマはここでも北海道産が売っている模様。せっかく他に新鮮なお魚が色々あるのに北海道産買わなくても良いかな〜と思いつつやっぱり秋にサンマ一回くらい食べたいなと先日遥々北国からここまで運ばれてきたサンマをありがたく購入、おいしくいただきました。
思いつくまま書いてみたけれど、魚の話だけでも話は尽きず、あんなこともあったな、こんなこともあったなといろんなシーンが頭をよぎります。今回はこの辺で。次回も小さなフードカルチャーショックをきままに綴ってみたいと思います。目指せ月一更新。
〇お知らせ 〇
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蠢く(うごめく)の文字のごとく、春に一斉に顔を出した生きものたちがぐんぐん成長している今。都市生活をしながら田舎暮らし(特に温暖な地域)を夢見た時に、そのうごめく生きものたちがネックになっている人結構いるのかなと想像します。私の暮らすここ天草も海と緑に囲まれ、それはそれはたくさんの魑魅魍魎たちが暮らしております。
昨年越してきたのは10月、まだまだ暖かい日も多いこの時期、まだまだ虫さんたちはお元気で、しかも長年人の住んでなかった古いお家は室内にたくさんの先客がいました。そしてでかい。想像していたものの東京のベッドタウンの集合住宅に暮らしていた身としてはなかなか衝撃的でこりゃ夏は大変だなーと思いつつ、ひとまず寒い冬がやってきて、眠りの季節、小休止となりました。そして冬が過ぎすこしずつ暖かくなってくると「もう?」と思う早い時期にあちこちでお目見えする姿が…。
そもそも虫って単に遭遇するのが嫌、苦手というのもそうだけど、ムカデなんかは刺されたら大変というのが大きな問題、折に触れ先人たちに知恵をお伺いする日々を過ごしていました。聞いてみるとその対策は様々。いわゆるドラッグストアで売っているようなスプレーや砂の薬を定期的にする人。出るたびにトングでつかんで外に出すという人、据え置きタイプの薬を置く人、逆に据え置きタイプの薬が虫を寄せるという人…。正解は人の数だけありそうです。
そんな中、ある友人が「山に暮らすなかはじめは色々対策をしていたけれど駆除するのをやめたら一番虫が出なくなった」というエピソードを教えてくれ、目からうろこ。友人曰く、「全ての生きものには神様が宿っていて、虫もそれは同じなんだよ、だから私たちは仕留めないことにした」とか。日本の昔からの教えの中だったかな(うろ覚えですみません)そこにある思想とのこと。悟りから遠い私にとってはびっくりのお話しだったけどでもなんだか妙に腑に落ちる感が。
また同じ保育園に子供を通わせる別の友人の言葉にもびっくりしっくり。「うちの保育園、あんな山の中にあって結構ムカデも出るみたいだけど、子供がムカデに刺されたことないんだって〜。子供って邪気が無いからかねー。」実際、園の先生に訪ねても、「たまに部屋にも出るんですよね〜。一応焼酎にムカデを付けたお薬を用意してますよ、見ます?ははは」と笑顔。ラフだなーと思いつつ、だけどみなさんずっとここでこうして過ごして生きてるんだよね、とこれも妙に納得。
確かに周りの山や茂みには数限りない虫がいるわけで、たまたま家に入ってきた虫を薬撒いて仕留めたところできりもないような。そもそも後から住み始めた自分たちが、長くここに代々暮らしてきた虫を敵とみなして排除しようとするってのも身勝手と思えて来たり。
二人の友人の言葉に答えを導いてもらったような、ひとまず我が家でとった対策はトングを部屋の数か所に置き、目撃したらつまみ出す。そして夜は蚊帳の中に布団を敷く事に。これで何を仕留めなくとも、眠っているところをチクリとされることはないかなと一安心。ここ最近毎晩電気を消すとどこからともなく寄ってきて耳ともでぷんぷん音を立てながらチクリとしてくる蚊に悩まされていたからだは蚊帳に守られなんともリラックス。そうなると蚊帳の外で蚊が飛んでいても、イラっとすることもなく、私は寝ます〜という感じで共存のはじまり。そうすると前ほどに蚊がきらいと思う気持ちが小さくなってくる不思議。
他の虫においても同じで、共存を選択するともうそこで試合終了な感じがあって、戦々恐々な気持ちが小さくなっていくのが分かります。さらに自分の中の恐怖心を和らげるため、呼び方もちょっとあだな風にしてみるとこれまた効果的。ムッカー、ゲジさん、ヤモちゃん(捻りなし)と。「ギャー、ムカデ!」っていうより、「あらムッカー、ちょっと外に出てくださいね」っていう方が全然怖くない。起きている現象は同じなのに、自分の心境は別物。
虫にだけに関わらず、目の前に起こる出来事に感じる恐怖心って自分が作っているものなんだろうな。そういう恐怖心から人を排除しようとしたり、コントロールしようとしたりしたくなっちゃうんだろうなー、なんてことを蚊帳に守られ、うとうとしながら思う今日この頃です。
そういいつつも夜中、電気をつけたところにでっかい蜘蛛の姿を見たりするとまだまだぎょっとしてしまう新参者、なんとか夏本番を楽しく乗り切れるといいなと思ってます。みなさんは虫、怖いですか?
〇お知らせ 1〇
ayaが手掛けるオーガニックコットンで楽しむ刺繍のキット【Sunny Thread 15色で描く 草花と動物の庭】が日本ヴォーグ社さんのオンラインレッスンサービス「CRAFTING」よりリリースされました。Sunny Threadでブローチ2種類、ハンカチ、トートバッグの4アイテムを仕上げる刺繍キット。Sunny Threadはもちろん、使用している生地もすべてオーガニックコットンにこだわりました。
新しい場所に越してきてから身近になった生きものたちを日々愛でながら、たくさんの草花と動物を布の上に散りばめました。オーガニックコットンの柔らかな感触を手で、Sunny Threadの鮮やかな色彩を目で、味わい楽しみながらゆっくり手仕事の時間をお過ごしいただけたら嬉しいです。
全ての材料とレシピをご自宅までお届け。ステッチの刺し方や制作の工程のポイントを動画で見ながら自分のペースでじっくり刺繍が楽しめる充実のキットです。移動が難しい状況の中、担当の方のサポートの元、動画は自宅のアトリエで撮影致しました。小さなアトリエでワークショップを受けているような感覚でお楽しみいただけたら幸いです。 購入から90日間は講師からのサポートも受けられます。初心者の方もぜひチャレンジしてくださいね。それぞれの場所で花咲く季節の針仕事お楽しみください。 CRAFTINGのサイトで詳細ご覧いただけます。ご購入もこちらから。⇒【CRAFTING】
〇お知らせ 2〇
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2021年ゴールデンウィークに突入。新しい場所での暮らしももうすぐ7か月。新緑が芽吹きさわやかな風が気持ちの良い季節、天草にも美しい五月が訪れています。カメの歩みの車の免許への道もようやくゴール。なかなか行けずにいた筆記試験を先日無事にパス。夢に見た免許証を手にすることができました。これまでの生活圏内を越え雨風にあたらず自分の行きたいところへ行きたいときに行けると思うと素直にとってもうれしい。
小さな島々が橋でつながるこの地域。四方海に囲まれ、島々には山も多く自然が豊か。自然の近いところに越したいと身を置いた自分としては幸せな環境だけれどいわゆる田舎町。特筆するような都会的な物でなくても今までの自分の暮らしにはどこにでもあった様なものが全然ないのが結構新鮮。例えば3階建て以上の建物もほとんどないから、エスカレータやエレベーターに乗ることがほとんどないということがこないだ食卓の話題に。
都内を歩いていて見ない日はないくらどこにでもあったコーヒーチェーンも赤や緑の銀行のATMもここにはどこにもない。どこにいっても同じチェーン店ばかりでどの町も単一化され個性がなくなるというような悲観的な話題が世間にはあって、これまで暮らしていたところの界隈では実際そういうつまらなさを感じていたけれど、ここは別の空気が流れてます。商店の数がそもそも圧倒的に少ない。
そうかといってここに暮らす人が一昔前のような暮らしをしているかというと全くそんなことはなく、車で一時間ちょっといけば県の中心地熊本市。そこには全国チェーンのあれこれも百貨店も素敵なセレクトショップもあるわけで、みなさん週末なんかに気が向いたら足を運んで楽しんでるんだと思う。
車という移動手段がない私にとっては遠い世界だった熊本市内、これからはもうすこし近い存在になるのかな、と思いつつもそんなに都市への渇望みたいなものがないのが正直なところ。思った以上に、刺激が足りないとか、退屈とは感じず、日々満たされています。
都会的な物がなきゃないで自分は困らないということは一つ気付きではあったけれど、だけど時々そういう都市的な豊かさに触れるのはやっぱり楽しい。
これまで10月に越してきてから熊本市内を訪れたのは2回。一回目は年が明けた頃。昨年刺繍とバッグでコラボレーションさせてもらったmiho umezawaの展示販売が熊本であると聞き、家の人にお願いして初めての熊本市内へ。見慣れた島の風景から大陸(大げさ)にわたり、市の中心地へ向かう景色は新鮮で、だんだんお店や建物交通量も増えてきて、知ってるチェーン店もちらほら。移り行く車からの眺めをすごく楽しんでいたように思う。お勧めされたギャラリー兼カフェでによって素敵な絵を眺めて、バゲットのサンドイッチとカフェオレをオーダー。越した家の近くには自分の好きな感じのパン屋さんはなく、久しぶりのおいしいパリパリのバゲットにニンマリ。ギャラリーの方にその提供していただいたパンを作っているパン屋さんを教えてもらい迷わず梯子。早々は来れないだろうと自分達へのお土産にあれこれ、おいしいパンをはしゃいで選んだのでした。
そして、この日の目的の友人の展示会をしているお店、暮ら巣さんに。センスのいい隠れ家的な店内にセレクトされたお洋服に生活雑貨、美味しいものもちょこちょこ。ここでも、目移りしながらいろんな商品を眺めて、お店の人とお話し、服を触って、選んで試着して、気に入った一着を選ぶ。楽しい買い物ってこういう感じだったよなと。保育園のお迎えの時間に間に合わせていそいそ帰路へ。都市数時間の滞在の楽しかったこと楽しかったこと。
二回目はつい先日免許を取りに行った帰りに立ち寄った熊本市内。暮らしている町から熊本県唯一の免許センターは市内も越えてなかなか遠く一日がかり。試験はもう合格する呈でせっかくなら家族のイベントにしてしまおうと、行きは始発のバスで行き、試験を終えて夕方天草から来た家族と市内で合流し一泊。ちょっとした旅行気分で、ホテルに荷物を置いて手ぶらでアーケード街を歩く。海の匂いがしないところに久しぶりにいることに気づいて、都会の匂いをくんくん満喫。越してきて初めて見る路面電車や熊本城、あちこちにあるショーウィンドウにごはんやさん、子供もいつもと違う世界にテンション上がり気味。免許の勉強からも解放された夜、家族で食べた居酒屋さんの焼き鳥のおいしくて楽しかったこと。
翌日はいいお天気で、熊本城をプラプラ。お城を囲む大きな木木の姿が立派でエネルギッシュでかっこよかった。暑いくらいの気候の中お城の周りをたくさん歩いて、時代劇のセットみたいなお土産屋さんのベンチで食べたかき氷もおいしかった。
この2回の短い都市滞在の記憶の鮮やかで愛おしいかったこと。都会の豊かさを味わう楽しみに満ちた時間でした。これってやっぱり「たまに」だから喜び一入なんだよね、と思う。自分にはそれくらいがちょうどいい。あー久しぶりに色々触れて楽しかった、また来ようね、って感じ。
毎日都内に通勤とかしていた時分、それこそ美味しいお店、素敵なセレクトショップ、展示、イベント数限りなし。チェックしきれないし、行き切れない。世界に誇るようなレベルのアート、ファッション、カルチャーが集まっていること間違いないし、ほんとに刺激的な場所ではあるのだけれど、ありすぎることでだんだん受け取る喜びが鈍ってくるような感じがあって、それがなんか面白くなかった。人によってその感覚は様々で、毎日その刺激的な世界に浸ることが真の幸せの人ももちろんいると思う。だから自分自身がそれを最高に楽しむ距離感を知っておくって大事だなーと感じるこの頃です。
今度久しぶりに、例えば一年ぶりくらいに帰省したら、東京のあちこち好きだったお店や美術館に立ち寄って、買い物したりご飯だべたり。きっと今までにないくらいあ―楽しかったって、なるんだろう。だけど、たまにがいいんだよね。私にはそれくらがちょうどいい。
〇お知らせ 1 〇
Sunny Threadでオーガニックコットンのハンカチに庭を描くTrois petites jardinの刺繍キット、リニューアルして、オンラインショップに登場致しました。またこちらのキットを使ったオンラインでの刺繍クラスも予定しています。ご都合あいましたら是非ご参加ください。カモミール、ビオラ、菜の花それぞれ各一回の行います。 手元のカメラを使いながら実演でステッチをお伝えしていきます。針を進めながらちょっとした疑問点なども一緒に解決していきたいと思います。 小人数のクラス、気張らず楽しむこと第一にお茶やコーヒーとともに楽しい時間を過ごせたらうれしいです。お子様とご一緒の参加も歓迎です。刺繍を始めたばかりの方もぜひご参加ください。 チケットをオンラインショップにて販売中。それぞれの場所で楽しい刺繍時間をご一緒できたら幸いです。ご参加お待ちしております。
カモミール⇒5月14日(金)10:30〜13:00→【チケット/カモミール】
ビオラ⇒5月15日(土)13:00〜15:30→【チケット/ビオラ】
菜の花⇒5月19日(水)10:30〜13:00→【チケット/菜の花】
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2021年春分も過ぎ、あちらこちらで、生命がうごめき出しているのを感じる日々。日によって、寒暖差はあるものの首都圏に比べると一足春の訪れが早いように感じます。
こちらに越してきて初めての春。春のぬくもりが何ともありがたい自転車生活者ですが、カメの様な歩みの自動車学校もようやく卒業、筆記試験を残すのみとなりました。色んなところへのドライブを夢想しつつ、暖かくなってきた海沿いの道のサイクリングはやはり最高です。
今日はこちらに来てからのごはんのことを。暮らす環境が変わることで食の変化もさまざま。海に山、畑がそこら中にあり、新鮮な食材が身近になったということは、食べることも料理することも好きな私にとっては大きな幸せ。だけども、いい食材を使って日々もりもり料理をしているかと言うとそんなこともなく、いたってシンプルになったように思います。色々な感覚の変化がありました。
これまで暮らしていたところは、保育園の送り迎えの道の途中にスーパーがあり、そこで食材は調達。冷蔵庫にあれこれたくさん食材が入って使い切れないのが嫌な自分は、ほぼ毎日前を通るそのスーパーを半分家の冷蔵庫代わりのようにしていました。だけれど、越してきて一転。こちらのスーパーは自転車生活の身にはかなり通い。加えて冬はとにかく寒い。できるだけ家から出たくないという不精な心がむくむく芽生えると、出来るだけ買い物せずにすむ方法を絞り出す。そうすると、乾物や保存のきく根菜などあれこれ使って一品を生み出すやりくりゲームが始まり、それが割と楽しい。そして意外とそれで満足。今までのおかずの量が果たして必要だったのかなという見直しにもなり、作ったら作ったでパーッと食べちゃうけど、なきゃないでそれでよいし体も身軽、ささやかなようで大きな気付きでした。
それでも色々使い切り、もういよいよ今日は買い出しに行かないと…みたいなときに、近所の人から野菜やお魚を分けていただいた時のありがたみといったらありません。無精者はあと二日はこれで行ける〜!と小躍り。そしてとれたてを分けていただいたものはどれも新鮮でほんとにおいしい。ニンジンは葉っぱも、大根は皮も、と大切にいただきます。
加えて、食への意識の変化のきっかけとしてずっと身近にいた親と物理的に距離が離れたことも大きかったなーと思います。母親は料理上手で、いわゆる日本のおいしい晩御飯が毎日子供のころは食卓に上がっていて、無意識のうちに自分の中で目指すべき、手本となっていたという気づき。それはそれでとても幸せな風景だったけれど、それはそれ。もっと自由に自分の食べたいもの、作りたいものを作りたいバランスで作ればいいなーと自然と思うようになりました。べつにごはんとお味噌汁とお肉料理と野菜とその他副菜…。って毎日なくていいよね、と。
出産直後から子供が食物アレルギーがたくさんで、卵、乳、小麦が登場しないご飯を作り始めて、3年くらい。始めは卵、乳、小麦を使わない料理なんて修行のようだと思っていたけれど、それも慣れてしまえばなんてことなくて、取らないほうがかえって調子が良かったり、逆にたまに食べると改めておいしいと思ったり、いろんな気づきが多い。買い物に行かないこともそうだけど、ちょっとしたそういう制限があることで知ることや、生まれる工夫って結構面白かったりします。
そんな地味な個人的ゲームのような食生活を楽しんでる今日この頃。
とはいえ、やっぱり食材の豊かな土地に暮らす幸せは大きい。今はわかめが旬の季節で、漁師さんたちは早朝から船で、わかめを取りに行っているようです。とれたてのわかめをさっと湯がいてお醤油とじゃこをあえて食べるおいしさを知った春でした。熱湯にさっと付けたときに黒からハッとするような鮮やかな緑に代わる手品のような瞬間もまた愛おしい。やっぱり料理って楽しいし、食べるのって幸せ。こちらで出会った美味しいものやこともまた、気ままに綴っていきたいと思います。
長い時間をかけて準備をしてきた刺繍の活動が一つもうすぐリリースです。この場所に越してきてからのインスピレーションがたくさんに詰まったものになりました。お披露目できる日を楽しみにしています。
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2021年が始まってもう一か月。大きな時代の変わり目感をひしひしと感じる2020年→2021年。今年に入ってからはますますそのスピードが早くなっているような、お正月がもうずいぶん前の事のように感じているこの頃です。皆さんはどんなお正月をすごされましたか。
今までは、実家もすぐそば、パートナーの実家も都内、またその兄弟たちも会える場所にみんな住んでいたので、お正月というのはそういった家族たちを訪ねともに過ごすというのが定番になっていたけれど今年は一転、訪ねる人も特にいないし、こんなご時世、特に遠出もせずゆったりのお正月を過ごしました。引っ越して以来ずっと補修しながら終わらない大掃除をしているようなもので特に年末だから掃除に勤しむという事もなく、年賀状もくださった人にだけお返事するという形にしてみたら「年末のしなきゃいけないこと」みたいなものから解放されてなんとも快適、これでよかったじゃんと。自分で食べたいおせち数品とお雑煮だけ作ってシンプルに過ごすお正月。不思議と全くさみしさはなく、心地の良いものでした。
こっちの生活ももうすぐ4か月。秋に越してきて冬を体験している今、よそ者の私はいろんな初めてを体験しています。生活の中の違いにあれこれに驚いたり、面白がったり、困ったりしている今の感覚もきっと数年たてば忘れてしまうんだろうな、と思うとこの今の新鮮な感覚も忘れたくないような。取るに足らないようなささやかな驚きや楽しさを覚書のように綴って置きたいなと思います。
越してきて体験した大きなカルチャーショックの一つは自転車。自動車免許を持たず、電動自転車も持っていなかった自分、今までの移動手段はは徒歩と公共交通機関。子供とのお出かけはベビーカーの生活でした。引っ越したら免許は必要と思いつつも引っ越し前のバタバタの中で取る気になれず、まずは免許のいらない電動自転車を…と子どもを乗せられるアシスト付き自転車を購入。これで引っ越し先でもちょっとしたお出かけはひとまず大丈夫。と思っていたのだけれどいざ引っ越してみるとその感覚がすでに大分違う。ここでは自転車に乗ってる人がほどんどいない。時々すれ違うのはおそらく車の運転を控えるようになったおじいちゃんたちくらい。子供を後ろに乗せて自転車こいでいる人を自分以外に見たことがなく、たぶん自意識過剰ではなく、その姿は珍しい生き物のようにこの町の人には映るよう。「○○の前を自転車で通ってるとこ見たよー、あんなところまで自転車でいくの?」「すごいスピードの自転車で、○○に入っていくところとみたよ。」と目撃情報をあちこちからいただく日々です。実際、いろんなものの距離が大きくて、スーパーまで行って、買い物して銀行寄って、郵便局寄ってと諸々の用事を済ませて帰ってくるとわりとへとへと。そして温暖なイメージがあったこの地域の冬は思いの外、極寒で、島の潮風は厳しい。朝の自転車の登園、寒すぎて後ろに乗ってる子供が怒り泣く始末です。季節を巡る中、雨や雪の日もあるし、子供は熱を出したりするわけで、ここでは免許なしでは生活が大変なことを身をもって知る冬を過ごしています。
そんな私も、12月から通い始めた自動車学校もようやく仮免までたどり着き、先生に見守られながら外の世界へ車で繰り出す日々。屋根に守られ、ドア付きで自分の自転車パワーではここが限界というエリアを容易に超えてすいすい橋をわたり次の島に行ける車の心地よさ、本当にすばらしい。みんなは当たり前に操っているそのエンジン付きの乗り物のすごさに今更ながら感動し、みんなが当たりまえに守っている車のルールというものをひとつひとつ学んでいる毎日です。
全くの余談になるけれど、以前引っ越すよりもだいぶ前、教習所の先生というものがとにかく怖いイメージがあって、もし免許をとるなら、どこの教習所なら優しい先生がいるんだろうと本気で調べたりしていたことを先日ふと思い出しました。こっちにきて、選択肢はなくただそこにある教習所に通っているけれど、どの先生もおおらかで優しい。あの教習所に対する怖いイメージって何だったんだろう…。とにかく予約待ちすることもなく、自分のペースで、ゆっくり楽しく通えてる自動車学校生活に感謝。車に乗れるようになったら、行動範囲もぐっと広がり、あれやこれや夢が膨らみます。
だけど、晴れた日の海岸沿いの道を自転車でこぐすばらしさは何にも代えがたい気持ちよさがあることを私は知っていて、ここに暮らす人がほとんどこれを体験していないとしたらもったいないなぁとさえ思う。歩くよりは早く、車よりはるかにゆっくりの自転車からの景色は繊細で、潮の匂いを感じ、波の音を聞きながら風を切って見る風景は自転車でしか体験できない世界。免許が取れてもきっと私は後ろに子供を乗せて、充電満タンにして自転車こぎこぎ、橋を渡って、海よって、お買い物にいくだろうなと思うのです。
Online Shop Chez ayaにてオーダーメイドのイニシャル入りハンカチの販売を始めました。柔らかでさわり心地抜群のオーガニックコットンのローン生地にSunny Threadのお好きな色でイニシャルを入れたハンカチをお仕立ていたします。老若男女問わず、お使いいただけるシンプルなハンカチはちょっとした贈り物にもおすすめです。よかったら覗いてみてくださいね。
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JUGEMテーマ:アート、デザイン、日々 / Art, Design, LIFE
あっという間に12月も半ば。
きっと数十年、数百年後の未来に振り返っても、歴史に残るような世界規模での大きな出来事があった2020年。
今年のはじめ、私の刺繍活動のはじめのイベントは一月に行われた布博、恒例町田の会場でした。
思い出すともう遠い昔の出来事のよう。暮らす場所も変わった自分にとってその時と今は別の世界にいるような感じすらしてしまいます。
小田急線沿いの我が家から電車に乗って町田の会場へ向かった週末。私が出展したのは【刺繍に恋して】と題した刺繍に纏わる作家さんが一同に集まる3日間で、雪もちらつくような寒さの中、会場は刺繍愛に溢れる人が集い、大げさでなく熱気にみちたものでした。作り手と買い手の交流、音楽ライブにワークショップ。まさに会場に足を運ぶからこそ楽しめる内容盛りだくさん。毎日声がかれるまでいろんな人と話してくたくたになって帰ったことを思い出します。
何度も出展を重ねてきた布博には、毎回訪れてくださる人もたくさんいて、特にSunny Threadは刺繍を嗜む方によくお求め頂いていたアイテムでした。使い切った色を買い足しに来てくださったり、新しい色を求めてお立ち寄りくださったり、お名前は知らないけれど、布博でだけ会う顔見知りのお客さんに会える、会場は私にとってそんな楽しみのある場所でもありました。
この時同じ年の年末に布博がオンラインで行われることになると想像していた人はいたでしょうか。
その後、あっという間に世界に疾病は広がり、全世界各地で行われていたライブ、フェス、イベントは軒並み中止。生で同じ場所に集まることが最大の魅力だったイベントは次々にオンラインの世界で繰り広げられるものに。世界のどこにいても、乳飲み子がいようと、寝たきりのおばあちゃんのお世話があろうとネット環境さえ整っていれば参加できる物へと変身を遂げた一年でもあったように思います。
今、まさに行われているオンラインフェスティバル布博もまさにその一つ。チケットを購入すると、オンライン上で、お買い物、各作り手のオンラインミーティングと呼ばれるZoomでのコンテンツ、また、日曜日には素敵なミュージシャンの音楽ライブなど、色々な催しが楽しめます。オンラインだからこそ出来ることもあり、私のオンラインミーティングでは、オートクチュール刺繍の技法を使って刺繍をするところを手元の写るカメラでお見せしようと思っています。興味を持っていただける方がいたら覗いてください。各出展者のオンラインミーティングは、アーカイブも見られるので、自分の空いた時間に気ままに楽しめるというのもいいとこだなと思います。
こういうオンラインでのイベントがこれからのスタンダードになるのか、この状況を乗り越えるための一時的なスタイルになるのか私には知る由もないけれどこういう社会状況に置いてもこういった催しが楽しめるのは、一手芸ファンとしてうれしい。私にとっては熊本に引っ越した今、相変わらず移動のし辛いご時世、ようやく住み慣れたこの島から子供を連れて東京へ赴く気も持てず、オンラインだからこそ叶った出展でもあります。そしてまた、同じ会場に好きなものが共通する人が一堂に集い思いっきり愉しむことが出来たときの喜びは一入だろうなと思いを馳せます。
こんな12月をここ熊本で過ごしているとは全く想像していなかった1月の布博の時の自分。暮らす場所も、イベントのスタイルも、色々な感覚も変化に富んだ一年だったけれど、変わらず私は刺繍をしていて、それをもって、変わらず社会とつながっている不思議。本当に激動&不思議な一年だったなーと思います。誰にとっても生活に多かれ少なかれ変化があったであろう2020年。振り返るとき、1月の布博と今始まった12月の布博がBefore/Afterの象徴のように私には映るのでした。皆さんにとってはどんな一年でしたか?
昨日から始まったオンラインフェスティバル布博、よかったら遊びに来てください。心よりお待ちしています。
公式サイトはこちら→【新しいオンラインフェスティバル布博】
チケットのお求めはこちらから→【布博チケット販売】
ayaのショップオープンは12月16日(水)20:00〜21:00に行われるオンラインミーティングの後、12月16日(水)21:00〜12月23日(水)21:00まで。それぞれの心地よい場所でゆっくり楽しんでくださいね。
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JUGEMテーマ:日々のくらし
続きを書くつもりで綴った、前回の「暮らすところ探し2」。
筆不精の間に、現実はどんどん進んでいき11月の今、熊本、天草地方での暮らしがすでに始まって1か月経ちました。もう今は暮らしているので、今回のタイトルは「新しい暮らしのはじまり」に。
豪雨の中の鹿児島、熊本旅行のあと、移住支援の人に物件情報を送ってもらいつつ、約3週間後中々開けない梅雨の中、再び熊本天草地方へ渡り着いてすぐに、実際に空き家を内覧。聴いていた話でもそこが一番いいだろうな…と思っていた物件を一件目にみて家族満場一致で決定。見える景色の美しさ、十分な広さ、内覧を終えた後には「ここでお願いします」となぜか迷いなく即決できたのでした。コロナの中での移住地探し、人によってとらえ方もそれぞれ。気軽にはいかない部分も色々あったけれど、それも含め人と人、タイミングなど色んな不思議な流れの中でそのお家にたどり着いたような感じでした。
橋を渡った先にある小さな島のてっぺんにあるそのお家の前にはそよそよと天草の海が広がり、朝陽も夕日も眺めることができるお庭付き。窓がある台所が昔からの夢だったのだけれど、その願いが叶えられた上にそこの小さな窓からは海が見えるというスペシャルギフト。私の中の決め手でした。実際住み始めた今は、現実の問題として色々直面してるけれど、ここを見つけたときはこんな素敵な感触でした。
まだ今までの家でのいつもの仕事が続いている時期にぎゅうぎゅうと詰め込んだ2回目の旅。思いのほか早く家を見つけるという任務を果たすことができ、開放的になって翌日は観光気分でその土地をドライブ。ローカル感溢れつつも、かなり充実の水族館を子供と満喫。初めてイルカを撫でた感動。お魚食べて、ちょっと除いた晴れ間にビーチに行って一休み。新しい場所に進むために動いてきて疲れた体も少しリフレッシュできたのでした。
物件が決まってからは、現地では長いこと人が住んでいなかったお家の手入れをしてもらいつつ、自宅では、片付け、荷造り、東京で進めておきたい仕事あれこれ、行っておきたいそこかしこ、子供も大人もお世話になった人とのお別れなどなど。長距離の家族での引っ越しがこんなに大変な物だったとは!知らないからできたことかも。転勤族の人とか、慣れてくるんだろうけど、この行為を何度もしている人すごいなと感心してしまいます。
知らないから出来たことと言えば、こんなに全然知らない地域、しかも橋でつながっているとはいえ島。さらに長く人が住んでなかった空き家に、家族で引っ越しちゃうとかも、色々大変さを知らないから尻込みせずに出来たことかもとも思ったりするほど、始めの一か月は毎日体当たり、バタバタでした。家の手入れや手続き。目の前に起こった問題を一個ずつ解決して、生活の土台をちょっとずつちょっとずつ築いていくような日々。11月でも昼間はTシャツでもいられるような暑さになるこの場所は、まだまだ虫たちも元気で、きゃーとか、ぎゃーとかいろんな洗礼を受けたり、トイレはくみ取ってもらうことやお湯は灯油で沸かすことを知ったり…。子供も大きく変わった環境に戸惑いがあるのは当然で、いやいや盛りの2歳児のいやいや度合いは大変なことに。(その戸惑いはきっと親の反映なんだろうな)おばあちゃんおじいちゃん、知ってるご近所の友達に囲まれた今までの暮らしから環境から一変。知っている人は父と母のみあとはデデーンと海。その上親も慣れない暮らしにいっぱいいっぱいで十分に遊んでやれず…。「どうして○○ちゃんに会えないの?」「どうして○○にすぐにいけなくなっちゃったの?」と。一か月した今、保育園にも通い始め、自分の居場所にちょっとずつ慣れてきたのか、徐々に落ち着いてきたこの頃。
そんなどたばたの毎日でも自然はとにかく美しく、毎瞬違う表情を見せてくれる海と空に感動しない日はなくて、くたくたになったからだもその景色が癒してくれてます。そして天草は小さな漁港があちこちにあって、おいしい海鮮が有名な地域。その辺のスーパーで売られているお魚も、ついさっきまで生きていた感がびしびし伝わってくる新鮮さ。命をいただいてるんだな…と改めて。知らない魚をちょっとずつ知っていく愉しみは特別で下手な自分がが料理しても素材のおかげでちゃんとおいしい。それから住んでみて知ったのはお野菜もとーってもおいしい。採ったその日に地元の物が並んでいるからなんだと思うけど、とにかく新鮮ぴちぴちでたくさん入っていて、ナス一つ焼いただけでごちそうと思うほどにおいしい。食いしん坊の私にとって、こういう幸せは何にも替えられない喜びです。
まだまだ始まったばかりの新しい暮らし、楽しいこと大変なこと起こる予感満載。全部ひっくるめて、その経験を味わうつもりで過ごしていこう、こちらにも気ままに綴っていきます。
Online shop、先日トートバッグを一緒につくった洋服のブランドmiho umezawaから、素敵な布マスクが届いてます。彼女の作る洋服同様、付け心地の良さとシンプルだけどお顔をすっきりと見せてくれる形の良さがポイントです。おすすめです。
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6月に入り、神奈川の端っこを訪ね、ここ!とはならず次はどこに行こうかと思いを巡らしていたころ。隙あらば地方に暮らしていたり、出身地が地方に合ったりする色々な人に移住の相談をしていた私に、「見にお出でよ、丁度いい物件があるみたいだよ」と声をかけてくれたのは鹿児島に暮らす友達でした。
前々から、何かと移住相談をさせてもらってた彼女。近年、鹿児島市内から少し外れの山に越して、自分たちの家で物を作りながら暮らしています。一気に南に行くなーと思いつつ、以前友人に連れられてあちこち旅をして素敵な思い出がたくさんある鹿児島。このタイミングでこうやって声をかけてくれたのも何かの縁と思い「行く!」と即決。しかも丁度それを決めたタイミングで、興味があるなら、熊本に住んでる友達を紹介するよ〜と別の友達が声をかけてくれ、こうなったら梯子!と流れに任せてチケットを手配。
暮らすことを想定するならばと長めに1週間時間をとって子供を連れて向かったのは6月末の事でした。乗り物大好きな2歳児をいつか飛行機に乗せてあげたいなと思っていたけれど、思いもよらない形でその夢は実現。夢の様なフライトかと言うとなかなかそうはいかず、悪天候、無事に鹿児島に着陸するかもわからないまま離陸、トイレトレーニング中の息子は頑なにオムツではなくトイレに行くと言い張り、ぐらぐら揺れる機内でトイレと座席を行ったり来たり。後になって思い出すと笑えるスリル満点の初めての飛行機でした。
大雨の中なんとか無事に到着。空港から市内へ向かい、またそこから山の方へ。市内からのアクセスも程よく、緑豊かな山の中に暮らす友達の家。窓からは大きな木木が見えて、外に出ると土と葉っぱの匂い。こういう景色をみながら食べる朝ご飯、羨ましい。
緊急事態宣言は解除されたものの都心から人が行くということに不安がないわけではないだろうにこの時にこちらの思いを快く迎え入れてくれた友人。この滞在で、「首都圏から来た人」という扱いで全く嫌な思いをしなくてすんだのは友人の色んな配慮があったからだったなと今になって改めて。ありがとう。そして温泉のある小さな町に取った宿、チェックインしてからの平日数日間の宿泊客は私たち家族のみ。この疾病騒動が及ぼす全国の経済への影響をあらためて感じる瞬間でもありました。
数日かけて、海やごはんも楽しみつつ、これからの時代どんな風な世界になっていくかみたいな話もしながら田舎に暮らすことを考えた滞在。この先世界がどういう状況になるかわからないけれどいい土があって海があれば、野菜を育てて魚を釣って、って最低限自分達が活きるための糧が生活圏内で得られるよね、それって心強いねって話しながら、田園風景を走る。里山を背景に広がる一面の田んぼは100年前から変わらずそこにあったかもと思うような、自分の思い出の景色でもないのに懐かしく感じるような日本の原風景。
不動産屋さんの持っている物件、周りの人に教えてもらったりして見つかった物件、空き家をめぐる。上下水道あり、ガスは都市ガス以外のところにしか暮らしたことのない自分にとっては、基本がプロパンということは認識としてあったけれど、下水が「浄化槽か汲み取りか」ということが毎回物件のポイントの一つになってることが新鮮でした。そして汲み取り式の場合、トイレ以外の排水がそのまま河川に流されているという衝撃。各家庭で日々使われる洗剤やら漂白剤やらそのまま川に流れているということになるわけで、「大丈夫なんだろうか」という私の腑に落ちない表情に、「東京の方がよっぽどそういう意味では環境にやさしいですよね〜、すごく遅れてるんですよ」と不動産屋さん。それでも海の水が東京湾とくらべたら、鹿児島の海はとってもきれいに見えるのだけど、住んでる人の数が圧倒的に違うからなのか。海の水質、家庭排水だけで決まるもんではないけれど、なんだかこの点まだ謎、咀嚼に時間が必要です。
小さなお家、大きなお家、古いお家、新しいお家色々見せてもらい、色々考える。初めて暮らす場所でいきなり家を買うというの色んな意味でリスクがあるからしないけど、買う人が多いからファミリータイプの賃貸のお家が圧倒的に少ないというのも納得。家を買うという行為が、都心でのそれとは荷の重さが全然違うように感じました。都心で家を買う人にとってはわりと普通だけど、今の時代、この先今の仕事がずっと続くことを想定して先何十年を見越して組むローンのストレスってなかなかなものだと思う。見せてもらった中で自分達に合いそうなお家で暮らす自分たちを想像しながらこういうとこで暮らすのもいいかな、と思いつつ、翌日は熊本への移動。
折しも、訪れたときは九州に大きな被害をもららした豪雨の時。球磨川が氾濫、九州自動車道は通行止め。あちこちから、大丈夫?と心配のメールが届き、もう熊本はいけないかなーなんて思っていたところ高速を使わない別ルートで行く方法が友人から届き希望が宿る。高速を使わず、下の道で北上、フェリーで渡り、熊本に入るという道があるとのこと。宿も帰りの飛行機も熊本でとってしまっているし行ってみることに。これがただの旅行だったら天気に恵まれなかったアンラッキーな旅行となるけれど、暮らすとこを探しに来た時にこういう天候が体験できるってある意味貴重だね、と話しながら大雨の中、熊本へ。
鹿児島から熊本に向かう道を囲む森がどこまでも深く、天気のせいで霧がかっていて神秘的ですらある美しい景色。「なんか神様出てきそう」といいながら、車ごとフェリーへ。島が点在する霧だらけの海を渡るとあっという間に熊本、天草地方へ。そこからまた深い深い森を抜け目的地へ進み森を抜ける頃には雨も止んでうっすら晴れ模様。一息入れようと、お昼ごはんに入った定食屋さんのお魚が新鮮過ぎてびっくりするくらい新鮮でした。でもなんでこんなに九州の醤油甘いんだ、と笑いつつ。点在する島をつなぐ橋を渡りながら海と森を見ながら進むドライブは天気がいまいちにも関わらず、雄大で気持ちよかった。こんな街に暮らしてみたいな。
その日泊まる宿に何とか到着し、翌日紹介していただいた方とも会ってお話し。市の移住者支援の窓口も訪ね、情報収集。その土地の物件をみたかったけれど、この滞在、ここまででタイムアウト。近いうちにもう一度来ようと熊本空港へ。泊まった天草地域と空港近辺の阿蘇地域。2時間弱の移動で、景色が全く変わってこちらはどこまでも広がる山景色。鹿児島の深い森ともまた違う、高原的な草の黄緑が広がる景色。どこも自分達の暮らす場所とはスケールの違う自然、そして自然との距離がぐんと近い、美しいけど怖い面も見ることの多かった滞在でした。
前回の記事で話していた、Chez aya 初めてのセレクトアイテムはミツロウラップ。お取り扱いスタートしています。オンラインショップにてご覧いただけたら幸いです。
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8月も気が付けば下旬に。オンラインショップにてフェア「Mes petites poisson/私の小さな魚たち」ご覧くださった皆さまありがとうございました。やりたいこと盛りだくさんで一週間があっという間、気が付けば週末が来ているこの夏。ここに書きたいことも満載で、なかなかリアルタイムに追いつかないけれど、住むところ探しの続きは次回として、今日はお買い物の話を。
自粛の間、思いがけない形で家にいる時間が増え、その過ごす部屋の居心地をよくするべく、部屋の片づけした人たぶんすごく多いと思う。近所のごみ捨て場にも雑誌やら洋服やら、家電やら…。回収の日はもりもり出ていて、この春ゴミ収集車のおじさんたち(息子のヒーロー)は大忙しだったことと思います。
自分も部屋の中の手が付けらずにいたものを少しずつ整理。そんな中もう着なくなったけど愛着のある洋服たちがそれなりにたまっていることに気づき、これを機に、テキスタイルアーティストYAKAちゃんのもとへ送ることにしました。布や糸を使って色々な創作活動を行う、彼女の活動のひとつ、ともに過ごしてきた洋服をラグへ作り変える、【i shi ki】というプロジェクトへ。そのプロジェクト、暮らしの中で役目を終えた服をラグに生まれ変わらせ再び光を当てるという発想も素敵だし、何よりその作り出す作品が本当に素敵。ただのリメイクとは違う、一つの作品として生まれ変わるようなクリエーションです。
この【i shi ki】の活動を知って以来、いつかぜひお願いしたいとずっと思っていたそのタイミングがここで来たと、ワクワクしながら依頼。快く引き受けてくださりました。待つこと数週間、仕上がったラグの可愛さと言ったら。
イタリアのマーケットで自分へのお土産に買って、10年使ったエプロン、大好きだったtsumori chisatoのルームウェア、プリントや刺繍を試しに施したTシャツ…etc。役目を終えて佇んでいた服たち全部が混ざってピカピカのラグに生まれ変わったのでした。
もう箱を開けるときからかわいい予感でワクワクしていて、さわやかな香りに包まれた作品に触れたときの喜び。家からほとんど出ないこの時期に届いたギフトは想像以上の飛び切りのものでした。朝起きてラグを見つけた息子も「かわいいー」の一声とともにダイブ。
日々お金を使い何かを買って暮らしていて、ニンジン一本から、お家一件まで色々な買い物があるけれど、その金額の大小に関わらずこういう心躍る買い物って、本当にいいなと改めて。先が見えない今見たいな状況、つい窮屈なお金の使い方に志向が行きがちだけど、自分の使える限られたお金、使うならこういう喜びのある使い方をしたいし、選択肢があるならば、作る人や売る人の心意気、思いに共感できるものを積極的に選びたい。同じものを買うならば、居心地のいいお店、ずっとここにあってほしいと思うような場所で買いたい。時にはそれってちょっと勇気や手間がいることだったりするけれど、それが大切な意思表示なったりするし、なにより美しかったり、美味しかったり、楽しかったり、自分を満たしてくれる。そういう喜びに満ちたお金が循環することで、世界はきれいになっていくと思っている。そして小さくとも、自分が作り、届けるものもそういう循環の一部でありたいと最近はますます思います。
そんな思いも込めて、近く初めてのセレクトアイテムをChez ayaにて販売スタート予定です。
すこーしずつ準備をしています、楽しみにしていてくださいね。
ラグを作ってくれたYAKAちゃんもとーっても素敵なお店をスタートしています。
いつか訪れてお買い物する日がとても楽しみ。
みなさんは最近心躍るお買い物しましたか?
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前回書いた通り、今住む所への色々な思いがあり、新しい場所を模索する日々。いざ東京近郊から離れた地域に目を向け空き家バンクなどを見ていると地方都市中心などを除けば至る地域に広々とした土地、家があることをしりました。「5LDK+農地+駐車場付き(3台まで)」みたいなびっくりするような広さで今よりもはるか負担の少ない家賃で住める場所たーくさん。
旅行で訪れて素敵だった場所は数あれど、特に「移住するならここ!」と思い描いていた土地があったわけじゃないので、そういう場所がないとなると逆に絞るのが大変なぐらい、自然の多くて空き家のある場所はあちらこちらに。調べていくと移住支援など行っている地域も多く、移住相談専門の窓口を設けていたり、移住者に対して支援金がでたり、引っ越し代を負担してくれたり様々な制度があることを知りました。
これから全国津々浦々周って気に入ったところに住むなんてことができればそれは素敵だけれど、もうちょっとスピード感のある移住を望んでいたので、色々地方に暮らす知人に話を聞いたり、調べたりしながら気候や雰囲気が自分達に合いそうなところいくつかに候補を絞って訪ねてみよう、ということに。
個人的な我が家の選択としては、まずは古民家みたいなとこを借りて自分達で手入れしながら暮らしていくようなイメージだったので冬の寒さや雪があんまり厳しいところはちょっときついなと思い、その気候基準はざっくりと地域を絞る材料になりました。
あとは都心に程よい距離の場所にするのか、それともそこは関係なしに気に入った場所にするのか。例えば沖縄とか奄美とか今とは全然違う大自然のある、ずーっと遠くに行くのも魅力的だけれども、車で2時間くらいで都内に出られるような場所でも緑豊かなところはたくさんあり、そういうところは都心を拠点とした仕事もしやすいし、家族や友人に会いたいときに会える環境も今の延長のようなスタイルで生活できるという利点があります。
ということで、少し身動きのしやすくなった、6月も半ばを過ぎるころ訪れたのは、自分達の住む神奈川の山梨よりの藤野、相模湖エリアでした。前から興味があったシュタイナー教育を小中高一貫で受けられるがシュタイナー学園があるというのがそこを選んだ理由でした。オーガニックのワインが好きでその延長で興味を持ったビオディナミという農法を作ったのがシュタイナー。オーストリアの哲学者です。ビオディナミはただの無農薬、有機栽培というビオ(オーガニック)とは異なる考えがあり、農地全体を多様で自律した有機体とみなす考え方で、月と惑星の動きを考慮した調合物を使用したり…まだまだ理解には及びませんがユニークな農法です。また数年前世田谷美術館で作品を展示されていて深く感銘を受けた染色家志村ふくみさんもその理論を取り入れていると言われていたシュタイナー論。その農法だったり、理論だったり、何かと自分の興味のある先に存在しずっと気になっているシュタイナーの教育理念に基づいた教育が受けられる学校が神奈川にあると知ってずっと気になっていたのでした。
高速で車を走らせ、2時間もかからないくらいのところだったけど、景色今暮らす場所よりずーっと山深く、酸素も濃い感じ。ちょっと行っただけでこんなに風景ってかわるんだなーと改めて感じた一日。アートの町としてもしられているようで、アートも楽しめる公園や施設も充実、道のところどころにもオブジェが。気になっていた学校は外から眺めただけですが、普通の学校の佇まいとは異なりなんとも趣のある良い感じでした。その日は学校はお休み、園内の畑で手入れしている人がいるだけでした。
肝心の物件は見せてもらったものの、ぴったりくるようなものはなく、そもそもファミリータイプの家は中々空きが出ないという状況のよう。自分と同じようにその学校に子供を通わせたいと引っ越してくる人が多いようで、そういうブランド力もあってか、いわゆる空き家がゴロゴロ、移住ウェルカムの田舎とはちょっと違う様子。家賃相場もそれなりにしっかりの印象でした。そして、緑は多く、ちいさな家庭菜園は見かけるけれど、そこで野菜やお米がたくさん作られているという印象はなく、地元の方に聞いたお話しでも、住んでる方の多くは都内などに通勤されている方が多いとのこと。(今の自分達よりはるかに長い通勤時間をかけて…)となると、とーってもいいところでパッと見た景色は今住む町より自然豊かだけれど、やっぱり東京郊外の延長という印象。
「田舎に暮らす」と言って思い浮かべる「田舎」は人それぞれだと思うけど、その時改めて、自分の理想を言うならば自給自足とは言わなくても地産地消、身土不二という言葉が当てはまるような、そんな田舎に暮らしてみたいと思ったのでした。
次はどこに行こう。
ただいまオンラインショップにてフェア「Mes petites poisson/私の小さな魚たち」開催中です。ぜひご覧ください。
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